起業家紹介【株式会社ポメルス 代表取締役 髙倉 和之】


 

メーカー勤務から起業を決める。
目標は、情報格差の解消。

 

ここ数年で、DX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉が浸透してきました。DXとは、デジタルを活用してビジネスに変革をもたらすという意味ですが、本来のDXを行えている企業はそう多くありません。長いメーカー勤務を経て、その現状を解決するべく起業したのは、「株式会社ポメルス」の代表取締役 髙倉和之(たかくら・かずゆき)さん。事業を立ち上げるに至った経緯やこれからの目標についてお伺いしました。

 

    

─貴社の事業内容をお教えください。

事業の内容は大きく分けて2つ。1つは、中小企業に対するDX(デジタルトランスフォーメーション)とGX(グリーントランスフォーメーション)の推進。もう1つが、DX/GXに伴うIT機器の販売・施工・保守。この2つの柱で事業を展開しています。
中小企業に対するDXの事業では、「BizCon」というサービスを展開しています。このサービスには5つの基本サービスがございまして、それぞれの基本サービスを通してデジタルで経営の変革と成長を実現することを目指しています。



─5つの基本サービスとは?

1.DXアドバイザーによる「伴走型支援」
2.経営情報の可視化「きづなPARK」
3.IT機器の健康状態を常時監視「アイコンカルテ」
4.お困り事相談「カスタマーコミュニケーションセンター」
5.お客様専用連絡用サイト「ビズコンナビ」
の5つです。

「DXアドバイザーによる伴走型支援」は、中小企業のDXを支援する伴走型のサービスです。中小企業の経営者の皆様はお忙しいので、なかなかDXを勉強する時間がありません。もちろん一朝一夕で学べるようなものでもありませんので、日常的にデジタルに接していただき、少しずつスキルを高めていく必要があります。そのために「伴走型」で支援するというのが当サービスです。伴走は、第三者機関から正式な認証を受けた「DXアドバイザー」が行いますので、知識や経験という面でご安心いただけるのではないかと思います。



「経営情報の可視化」は、経営情報を可視化するクラウドサービスとなります。このサービスを用いることで、今の経営状態を可視化して把握し、目標に対してのギャップや可視化された経営状態についてデジタルを用いてチェックすることができます。さらに、その経営情報は同業他社とも比較することができるので、自分の会社がどういう状態なのか、目標はどこまで設定するのがよいのかなど、経営を行う上で必要な情報を多角的にチェックすることができるのがこのサービスの特徴です。

「アイコンカルテ」は、パソコン、複合機、ビジネスホン、ルーターなどのIT機器の状況を可視化できるツールです。例えば、多くの会社でパソコンはA社から導入、ルーターはB社から導入して、ネットワークはC社が設計しているといった状況になっているかと思います。要するに、各機器を取り扱う業者がバラバラなので、自社のネットワークを誰も把握できていない。そういった状況を解決するため、自社のITネットワークに繋がっている機器の状況をすべて可視化するツールが「アイコンカルテ」です。このパソコンのハードディスクの容量はいくら残っているとか、CPUが異常に発熱しているとか、ウイルスに感染しているだとか、いわば「IT機器の健康状態」を常に監視することを可能にしました。



「カスタマーコミュニケーションセンター」は、その名の通り、顧客との意思疎通を大切にするコールセンターです。例えば、パソコンそのものの操作方法や、MicrosoftのWordやExcelといったツールの操作方法など、デジタルにまつわる「困り事」を何でも引き受けるというのがこのサービスです。在籍されている相談員さんは、他社が対応しないどんなIT機器の困り事も引き受け、解決に導く形式をとっているので、何社もたらい回しされることなく大変喜ばれております。

最後の「ビズコンナビ」は、「BizCon」に加入いただいたお客様それぞれに設ける専用のポータルサイトです。このサイトへお客様にログインいただき、お困り事の相談や、新しく始まったDX/GXサービスのご紹介などを行っています。



─創業の経緯をお教えください。

私は、コンピュータ専門学校を卒業後、通信機メーカーに就職し、マーケティング、商品企画、販売促進、代理店営業などに従事してきました。「メーカー」でしたので、当然のように通信機器というモノを売ってきたわけですが、時代が進み、「モノ」ではなく「コト」を売る時代へと変わりました。しかし、メーカーはどうしても「モノ」の販売が目的になってしまいます。そこで、退職が間近な年齢に差し掛かっていたということもあり、DX/GX推進を行う会社の起業を決めました。最終赴任地である東京では多くのスタートアップ企業や、DX推進で大きな成果を上げている企業様と仕事を通して色々な刺激を受けたので、地元である福島県に戻って中小企業向けのDX推進事業を行いたいと思ったことがきっかけですね。



─創業されてから、よかったこと・大変だったことがあればお教えください。

会社に在籍していた頃は、「会社の看板」を背負ってビジネスをしていましたが、起業してからは「自分が看板」になりました。例えば、お仕事をいただけることや色々お手伝いいただけることに対する「感謝」は会社員時代にもあった感情なのですが、起業してからはその気持ちがより大きくなったと感じています。この点で、人と人との繋がりだとか、ご縁だとか、そういったことをより大切にできるようになったことは、よかったと言えますね。いつも支援くださる皆様には、とにかく「感謝、感謝」という感じです。

大変だったことは、安定した収益を得ることですね。これは今の課題でもありますが、安定した収益を作らなければ事業を安定して展開できません。難しい課題ではありますが、自分で考えて実行していきたいです。ただ、大変ではありながらも、こういった課題の解決策を考えている過程は非常に楽しいですよ(笑)。



─会社として、これからの目標はありますか?

目標は、デジタルデバイド(情報格差)の解消です。お年寄りがスマートフォンの使い方に苦慮している一方で、デジタルネイティブである若い方は同じスマートフォンで数億円稼いでいる時代です。中小企業も積極的にデジタルを活用している企業とそうでない企業では結果に大きな格差がでてきてしまいます。DX/GXは国策でもあり、この流れは川上の大企業から川下の中小・小規模企業に確実に落ちてきます。今は自治体の補助金等も受けられますので、少子化対策も絡めて早く着手した方がよいと思います。
そのためには、デジタルでどんな便利なことができるのかが分からなければ、その先に進むことも出来ません。そういった格差を解消し、デジタルをビジネスでしっかりと活用できるように推進していきたいですね。



─これから創業を考えている方へ向けて、何かアドバイスはありますか?

自分がやりたい事、できる事だけでなく、それが求められているか?が大事かと思います。それと昔は起業に対するハードルが高かったですが、昨今、郡山市はもちろん、各自治体で創業に対する支援はかなり充実しています。支援制度の情報などを収集して、自分に合う支援を見つけることは重要ですね。
あとは、根性ではないですが、エネルギーのようなものを持つことも大切なのではないでしょうか。頑張って、自分を信じてまっすぐ進むこと。そうやってがむしゃらに進んでいくことで、たくさんの方が助けてくれるようになりますよ。





DX、IT商材販売

株式会社ポメルス

〒963-8023 福島県郡山市緑町9-12
(駅前オフィス)
〒963-8002 福島県郡山市駅前2丁目13-13 D'グランフォートザ・タワー郡山

TEL:(024)953-6678

ホームページ:https://pommels.co.jp/

代表取締役 髙倉 和之

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